[携帯電話使用、遺伝的感受性および慢性腎疾患の新たな発症] epidem.

Mobile Phone Use, Genetic Susceptibility and New-Onset Chronic Kidney Diseases

掲載誌: Int J Public Health 2023; 68: 1605358

この研究は、携帯電話使用およびその使用特性と、新たに発症した慢性疾患(CKD)との関連を調べた。英国バイオバンクにおけるCKDの病歴のない408,743人の参加者を対象とした。 主なアウトカムは新たに発症のCKDとした。中央値12.1年の追跡調査中に、10,797人(2.6%)の参加者がCKDを発症した。 携帯電話の非ユーザーと比較して、携帯電話ユーザーではCKDを新たに発症するリスクが有意に高かった(ハザード比(HR)= 1.07、95%信頼区間(CI)= 1.02-1.13)。更に、携帯電話ユーザーでは、週あたりの携帯電話の発信または着信の使用時間が30分未満の参加者と比較して、使用時間が30分以上の参加者ではCKDを新たに発症するリスクが有意に高いことが認められた(HR = 1.12、95% CI = 1.07-1.18)。CKDの遺伝的リスクが高く、携帯電話の使用時間が長い参加者は、CKDのリスクが最も高かった。傾向スコア マッチング手法でも同様の結果が認められた。但し、携帯電話ユーザーでは、携帯電話の使用時間、ならびにハンズフリーデバイス/スピーカーフォンの使用と、新たに発症したCKDとの間に有意な関連は認められなかった。携帯電話使用は、特に携帯電話の通話の発信または着信の使用時間が長い人において、新たに発症したCKDの高いリスクと有意に関連していた、と著者らは報告している。

ばく露