パルス化高出力マイクロ波(HPM)には多くの応用技術があるが、その増加に伴い、生物学的影響および安全レベルが深刻な論点になってきている。この研究の著者らは、脳の正常な星状膠細胞およびU87 MGがん細胞に対する3.5 GHzのパルス化HPMの影響、ならびに、これに関与している可能性があるメカニズムを始めて観察した、と主張している。細胞をHPMパルス(10、25、40、60回:1 mJ/パルス)に直接ばく露した。ばく露量依存的な影響を評価するため、各パルスは1分間のチャージ時間後に供給した。その結果、強い電界(~23 kV/cm)のHPM照射は主に、U87および星状膠細胞に活性酸素種(ROS)の産生、細胞の生存率、ミトコンドリア活性、細胞死の比率の変化を生じた。HPMばく露によるROS産生は主にDNA損傷およびp53の活性化を生じた。60回のパルスの有害なばく露量が脳の正常な細胞に損傷を生じることが認められた。25回のパルスは、p53、Bax、およびカスパーゼ-3の活性化を通じてU87細胞に対する治療効果を呈した。HPMパルスは、正常細胞では高いばく露量で、U87がん細胞では特定の25パルスで、ROSバーストのようなアポトーシス関連の事象を生じ、酸化的DNA損傷を増加させた。これらの知見は、HPMによる細胞死の誘導の生理学的メカニズム、ならびに、正常細胞に対するHPMばく露の安全閾値およびU87がん細胞に対する治療効果の理解に有益である、と著者らは結論付けている。
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