[携帯電話からの高周波電磁放射と脳腫瘍との関連:韓国における脳腫瘍発生率の傾向] epidem.

The relationship between radiofrequency-electromagnetic radiation from cell phones and brain tumor: The brain tumor incidence trends in South Korea

掲載誌: Environ Res 2023; 226: 115657

この研究は、韓国全土での携帯電話加入率と脳腫瘍発生率との関連を調べた。携帯電話加入率を高周波電磁放射へのばく露評価の代用尺度とした。1985年および2019年の100人あたりの携帯電話加入者数のデータは、国際電気通信連合(ITU)の統計から取得した。199-2018年の脳腫瘍発生率のデータは、国立がんセンターが運用する韓国中央がん登録から取得した。その結果、携帯電話加入者数は1991年には100人中0人であったが、2000年には57人、2009年には97人、2019年には135人であった。10年前の携帯電話加入率と10万人あたりの年齢調整罹患率(ASIR)との相関係数は、3つの良性脳腫瘍国際疾病分類第10版(ICD-10)コードD32、D33およびD32.0)ならびに3つの悪性脳腫瘍(同C71.0、C71.1およびC71.2)で統計的に有意な正の相関が認められた。悪性脳腫瘍における統計的有意性相関係数は、C71.0の0.75(95%信頼区間(CI)0.46-0.90)からC71.1の0.85(0.63-0.93)の範囲であった。高周波電磁放射ばく露の主な経路は脳の前頭側頭側(両耳の位置)からであるという事実を考慮すれば、前頭葉(C71.1)および側頭葉(C71.2)での統計的に有意な正の相関係数が認められたことは理解できる、と著者らは結論付けている。

ばく露

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