[聴性脳幹反応に対する携帯電話からの電磁放射の影響] epidem.

この横断研究は、聴性脳幹反応（ABR）に対する携帯電話の長期使用の影響を三次医療病院で調べた。携帯電話の使用歴が2年超の865人（18-45歳、平均27.01歳、男性1.57：女性1.0）が参加した。1日あたりの使用時間、使用年数、主に使う側と反対側の耳での総使用時間に応じてユーザーを分類した。慢性的な携帯電話使用による電磁界ばく露の影響を確認するため、ABRの変化を両耳で調べた。1日あたりの携帯電話使用時間は4-900分の範囲で、平均は85.94分であった。ABRのI、IIIおよびV波の振幅、IおよびV波の潜時、ならびにI-III、III-VおよびI-Vのピーク間潜時（IPL）に関して、主に使う側と反対側の耳での有意差は認められなかった。1日あたりの使用時間が180分超の群でのI-V、使用年数が0-4年の群でのI-IIIおよびI-V、ならびに総使用時間が1500時間超の群でのI-Vを除いて、I-III、III-VおよびI-VのIPLに関する群間での有意差は認められなかった。全ての波での平均IPLは、携帯電話の使用年数とともに上昇し、最大値は全ての波で12年超の使用年数において見られた。長期間の電磁界ばく露は測定可能なABRの変化を生じる、と著者らは結論付けている。