この研究は、自律神経のバランスと携帯電話での通話時間との関連を調べた。全身疾患がなく、携帯電話を5年以上、少なくとも1日あたり30分間使用している被験者30人(男性14人:32.07 ± 9.87歳、女性16人:31.81 ± 7.64歳)を分析に含めた。3チャネルフィジオグラフを用いて心拍変動(HRV)を10分間記録した。正常心拍間隔の標準偏差(SDBB)、正常心拍の連続する差の平方根時間(RMSSD)、50 msより大きいR-Rインターバル(pRR50)、平均心拍(MHR)の時間領域パラメータ、ならびに、総出力、低周波出力(LF)、高周波出力(HF)、低周波/高周波の比率(LF/HF)の周波数領域パラメータを記録した。各被験者についてHRVを3回記録した。これにはベースラインのHRV、携帯電話使用中のHRV、携帯電話使用後のHRVが含まれた。その結果、いずれの被験者にも有意な不整脈は認められなかった。3フェイズ全ての比較で、pRR50に有意差が認められた(p = 0.036)。但し、携帯電話での通話前、通話中および通話後の超低周波(VLF、ms2)、VLF(%)、LF(ms2)、LF(%)、HF(ms2)、HF(%)、LF/HF、SDNN(ms)、RMSSD(ms)、恒等線に垂直なポアンカレプロットの標準偏差(ms)、恒等線に沿ったポアンカレ プロットの標準偏差(ms)、収縮期血圧(mmHg)、拡張期血圧(mmHg)に、有意なばらつきは認められなかった。全てのパラメータについて男女間に有意差は認められなかった。携帯電話通話はHRVおよび自律神経のバランスに影響力を及ぼす可能性があり、この変化は電磁界ならびに通話によるかもしれない、と著者らは結論付けている。
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