[若年成人の聴覚に対する携帯電話使用の影響：観察研究] epidem.

この研究は、若年成人の聴覚に対する携帯電話の影響を調べた。携帯電話を1年以上使用している医学部学生75人が参加した。研究開始時点でのベースラインの聴覚を、標準純音聴力検査（PTA）、耳音響放射（OAE）および脳幹誘発反応聴力検査（BERA）で評価し、これを6か月後および1年後に反復し、比較した。参加者の平均年齢は20.13 + 1.33歳であった。携帯電話を主に右耳または左耳で使う、あるいは特に嗜好はないという回答は、それぞれ74.7%、16%、9.3%であった。ベースライン、6か月後および1年後のPTAの平均は、右耳でそれぞれ12.71 ± 3.51 dB、13.73 ± 3.69 dB、14.07 ± 3.25 dB（p = 0.120）、左耳でそれぞれ13.28±3.57 dB、14.32±3.10 dB、14.24±3.20 dB（p = 0.170）であった。ベースラインと6か月後および1年後、主に使う側の耳とそうでない側の耳で、BERAおよびOAEの聴覚閾値に統計的有意差は認められなかった、と著者らは報告している。