ダンゴウオ(Cyclopterus lumpus)は北大西洋およびバレンツ海に広く分布し、沿岸の産卵場と外洋の餌場を移動する。この研究は、高圧直流(HVDC)海底電力ケーブルから発生するのと同じ強度の磁界にダンゴウオが反応するかどうかを調べた。若齢のダンゴウオを、ヘルムホルツコイルで発生させた人工的な傾斜磁界(230 µT、ケーブルから1 mでの強度に相当)に置き、ケーブルを通電/非通電状態で30分間撮影し、遊泳速度および位置を分析した。その結果、ダンゴウオの活動性(静止している時間に対して泳いでいる時間で定義)および遊泳距離は人工的な磁界へのばく露に影響されなかった。ケーブル通電時に遊泳速度は16%低下し、この魚が磁界、または磁界を通過する動きにより生じる誘導電界を感知し得ることが示された。但し、ケーブルから1 mの範囲内で生じた遊泳速度の16%の低下が、ダンゴウオの渡りまたは帰巣に有意に影響することは無さそうである、と著者らは結論付けている。
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