高周波(RF)電磁界は、身体の近傍および遠方で動作する各種のワイヤレス通信用の波源から発せられており、日常的な吸収量を定量化することは困難である。この研究は、前向きコホート研究「若年者の認知と携帯電話に関する研究(SCAMP)」の枠組みで、2年間にわたってRFばく露の特性評価を行った。SCAMPコホートには、ベースライン調査時に英国の大ロンドン首都圏の子ども6605人(年齢12.1歳、2014-2016年)、フォローアップ調査時に5194人(14.2歳、2016-2018年)が含まれた。身体への比吸収率(SAR)についてのドシメトリ・アルゴリズムを用いて、全身および脳全体を含む8つの組織への日常的なRFばく露を推定した。携帯電話での通話やデータ送信等、12種類の一般的な利用シナリオからのRFばく露を検討した。社会人口統計学的要因(性別、民族、電話の所有、社会経済状態)と、ベースラインとフォローアップ間のばく露量の変化との関連を評価した。その結果、全身ばく露量の推定値は平均で、ベースラインで170 mJ/kg/日、フォローアップで178 mJ/kg/日であった。検討した8つの組織のうち、右側頭部でのばく露量が最も高かった(ベースラインで1150 mJ/kg/日、フォローアップで1520 mJ/kg/日)。日常的なばく露量の推定値(mJ/kg/日)はベースラインからフォローアップで、また頭部および脳関連組織で増加したが、全身および心臓では安定したままであった。両方の評価に参加した子ども3384人において、ベースラインおよびフォローアップでのばく露量の推定値の相関は低かった。アジア系(白人との比較)およびバー型携帯電話の所有または非所有(スマートフォン所有との比較)は、全身および脳全体でのより低いばく露量推定値と関連しており、アフリカ系、中程度の/低い社会経済状態(高い社会経済状態との比較)、年齢の高さ(ベースラインの時点)は、より高いばく露量推定値と関連していた。このばく露量推定値は、SSCAMP研究の今後の疫学分析に用いられる、と著者らは報告している。
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