この総説の著者らは、概日リズムに対する電磁界の影響力について以下のように論じている。人体の複数の生理学的機能を司る概日リズムは、光および地球の電磁界によって影響力を受ける可能性がある。太陽活動の周期的な擾乱や地磁気の季節的な弱まりは、概日リズムとその下流の生理学的機能をかく乱することで、ヒトの健康に影響を及ぼす可能性がある。概日リズムの深刻なかく乱は炎症を増加させ、一部の人々に疲労、発熱、インフルエンザ様の症状を生じ、高齢者や病人の既存の症状を悪化させ、感染症や慢性疾患の周期的なスパイクにつながる可能性がある。地磁気の知覚の根底にあると考えられるメカニズムには、網膜のクリプトクロムにおける光依存性ラジカルペア形成、および常磁性の磁鉄鉱ナノ粒子の関与である。ワイヤレス機器やアンテナからの電磁汚染、靴や建物に用いられる非導電性材料による遮へい、局地的な地磁気異常といった要因も、人体による地磁気の知覚に影響を及ぼし、概日リズムのかく乱や疾病の発症に寄与しているかもしれない、と著者らは述べている。
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