ミリ波での計算ドシメトリ研究の現状は主に、現実的なモデル表面の幾何学的に不規則な特徴を無視することでばく露評価を単純にするため、平面組織等価モデルに依拠している。但し、これは入射界の波長と同程度の局所的な曲率半径を有する平面でない身体部位についてのドシメトリ量の誤差を生じる可能性がある。この研究は、ヒトの耳の解剖学的に正確な電磁モデルへの吸収電力密度(Sab)の評価のための平均化技法を開発することで、この問題に対処した。26および60 GHzの平面波ばく露についてドシメトリ分析を実施し、2つの市販の電磁ソフトウェアを用いてこの手法の精度を検証した。更に、6 GHz超の電磁界へのばく露制限のための国際的なガイドラインおよび規格で提示されているSabの2つの定義を比較した。その結果、検討した全てのシナリオで、2つの異なる定義から得られた値の間の相対差は僅か(約6%以内)であることが示された。他方、平面モデルとの比較では、耳での空間最大Sabは、定義に関わらず約20%大きかった。これらの結果から、ここで提案した手法は、今後の第5世代移動通信(5G)およびその先のワイヤレスネットワークで用いられる周波数での解剖学的モデルの表面に対するSabの評価において有望であることが示された、と著者らは結論付けている。
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