この総説の著者らは、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症（ALS）、多発性硬化症といった神経変性疾患の発症に対し、電磁界が寄与している可能性についての知識の現状について、以下のように述べている。最新の文献では、ヒトの健康に対する電磁界ばく露の正と負の影響の両方が示されており、妥当で曖昧さのない結論を導くことは困難である。世界保健機関（WHO）の統計に基づく疫学研究のデータ分析では、過去15年間の先進国の総人口の増加と比較して、神経学的疾患による死亡率の大幅な上昇が示されており、分析対象の国々における最大のものはオッズ比が100%を超えていた。神経変性疾患の発症に対する電磁界ばく露の寄与は依然として議論の余地があり、神経変性疾患における電磁界の作用機序の評価のため、更なる詳細な研究が必要である、と著者らは結論付けている。
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