欧州連合(EU)の物理的因子(電磁界)からの労働者防護に関する指令は、英国では2016年に「職場での電磁界の管理に関する規制」として英国の法令に組み込まれた。この規制は、定義されたばく露限度値(ELV)を超える電磁界への従業員のばく露を禁じている。しかしながら、磁気共鳴画像撮影については、合理的に実践可能な限り低いレベルにばく露を低減することを条件に、この要件からの除外規定がある。また、適切なリスク評価、職員に対する訓練の提供、健康影響のモニタリングについての追加要件もある。この論文の著者らは、MRI環境における同規制の遵守を達成するための具体的なガイダンスを提示している。どの程度のレベルのばく露を「合理的」とみなすかが、同規制の適切な適用に重要である。同規制で定義されたELVがMRI環境におけるばく露に関連する用語で示され、ばく露の直接的および間接的な影響としてどんなものが生じ得るか、また、合理的な管理対策としてどんなものを実施可能か、が論じられている。同規制の遵守の達成のための段階的なガイドが示されている。典型的なMRI作業の実践では、何らかの永続的な健康影響が生じることはほとんどありそうになく、実際に経験される影響は一過性である可能性が高く、長期的な結果を生じることはない。MRI環境における労働者のリスクを最小にするための管理対策は既に講じられており、ELVを超えるばく露に対する追加的な管理対策を講じる必要はないはずである、と著者らは結論付けている。
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