[3.5 GHzでのイン・ビトロ生体電磁気学実験用の新たな反射箱] tech./dosim.

この論文の著者らは、組織培養プレート内の接着細胞のイン・ビトロ電磁波ばく露用の細胞インキュベータとして、撹拌子のある反射箱を設計・提案している。この反射箱を、第5世代移動通信（5G）の中間周波数帯である3.5 GHzでの極めて均一なばく露条件下で、最大10個の組織培養プレートを同時にばく露するイン・ビトロ生体電磁気学的実験に適用した。その結果、反射箱内の電磁界の均一性と均質性のため、温度測定から抽出したばく露サンプルの比吸収率（SAR）は同様（ばらつきは最大で30%未満）で、測定したSARは、6ウェルおよび96ウェルプレートでそれぞれ入射電力1 Wあたり1.5および1 W/kg前後であった。このシステムの検証のため、数値シミュレーションを実施したところ、全体として実験で得たSARとの良好な一致が認められ、標準誤差を考慮すると差は30%未満であった、と著者らは報告している。