[透明で、時宜を得た、健康防護活動につながりうる証拠の評価の実施] misc.

Conducting evaluations of evidence that are transparent, timely and can lead to health-protective actions

掲載誌: Environ Health 2022; 21: 123

2021年2月、100人以上の科学者および政策専門家がウェブベースのワークショップに参加し、証拠および科学的不確かさの評価の不一致が、有害因子へのばく露からヒトの健康と環境の時宜を得た防護をしばしば遅延させていることについて検討した。このワークショップは、欧州環境庁(EEA)が2008年に開催した前回のワークショップ、ならびにEEAの報告書「早期警戒からの遅れた教訓」(2001、2013)からのケーススタディを端緒とする。これらの報告書は、起こり得る可能性が高い有害性について科学者らが早期および後期の警戒を発してから何十年もリスク低減対策が遅延した多くの化学物質を含む有害因子を文書化している。このワークショップの参加者らは、評価結果の違いが公衆衛生の防護の遅延につながった最近のケーススタディとして、ペルフルオロオクタン酸(PFOA)、超低周波(ELF)電磁界、グリホサート、ビスフェノールA(BPA)を挙げている。こうした障壁を克服するための戦略には、少なくとも、1) 既存のデータと情報のより良い利用、2) 適時性の確保、3) 証拠の評価における透明性と一貫性を高め、バイアスを最小にすること、4) 金銭的な利益相反の影響力を最小にすること、を含めなければならない、と著者らは指摘している。この勧告は「実用的な証拠」、即ち、有害因子へのばく露から健康と環境を防護するための時宜を得た行動を支援する、科学的証拠の信頼できる評価の作成を強めるべきであり、地方自治体、州、連邦および国際レベルでの政策および規制に適用可能である、と著者らは結論付けている。

ばく露