[体温に対する高周波ばく露の影響:正常なラットでのリアルタイムモニタリング] med./bio.

Effect of radiofrequency exposure on body temperature: Real-time monitoring in normal rats

掲載誌: J Therm Biol 2022; 110: 103350

この研究は、高周波RF放射へのばく露中の健康動物の体温を、植込み可能なiButtonデータロガーを用いてリアルタイムでモニターした。小型動物用の反射箱を用いてRFばく露を行った。健康な雄のSprague-Dawleyラットを、iButton植込みの有無で2群(それぞれn = 20)に割り付け、各群を更にばく露群と擬似ばく露群に分けた(それぞれn = 10)。ばく露群を1760 MHzのLTE信号に4 W/kgの比吸収率SAR)で6時間ばく露した。植込み群では腹腔内に植え込んだiButtonを用いて、6時間のばく露期間にわたって体温を毎分記録した。非植込み群では直腸温度計を直接用いて、6時間のばく露期間の直前および直後に測定した。その結果、2種類の温度計で測定した体温は有意に正に相関し(r = 0.63、P < 0.01、線形回帰)、iButton植込み群および非植込み群での6時間のRFばく露後の体温の変化は< 1°Cに維持された(P = 0.87、一般線形モデル)。直腸温度計を用いた測定でも同様の結果が得られた(P = 0.12、対応t検定)。これらの結果は、全身平均SARが4 W/kgでの6時間のRFばく露健康ラットの体温に有意な変化を生じないことを示唆している、と著者らは結論付けている。

ばく露