[28 GHzの誘電体レンズ付きホーンアンテナを用いた全身照射システム] tech./dosim.

Whole-Body Exposure System Using Horn Antennas With Dielectric Lens at 28 GHz

掲載誌: IEEE J Electromagn RF Microw Med Biol 2023; 7 (1): 65-72

電磁界からのヒトの防護のための国際的なガイドラインおよび規格の改定版では、全身ばく露に対して許容される比吸収率SAR)が3または10 GHzから300 GHzに拡張されている。この改定の論拠は、従来型の高周波ばく露および赤外線放射の知見からの外挿であるが、ヒト被験者での全身ばく露の実験は、6 GHz未満で実施された少数の研究に限られている。この研究の著者らは、ヒトの背中の広い面積を対象とする、誘電体レンズを備えた2つのホーンアンテナで構成される28 GHzでのばく露装置を開発した。このばく露装置の有効性を計算ドシメトリおよび実験で評価したところ、電磁波吸収材およびヒト被験者の背中での電力吸収の計算結果および分布の測定結果は良く一致していた。局所ばく露限度に対する適合条件下では、全身平均SARは0.35 W/kgで、これは国際的なガイドラインおよび規格における職業的ばく露に対する全身ばく露限度値0.4 W/kgと同等であった。このばく露装置は6 GHz超の全身ばく露に対する熱生理学的反応の評価に有益なものとなるであろう、と著者らは結論付けている。

ばく露