[電磁界へのばく露はALS患者の発症年齢または病気の進行を変化させない] epidem.

Exposure to electromagnetic fields does not modify neither the age of onset nor the disease progression in ALS patients

掲載誌: Amyotroph Lateral Scler Frontotemporal Degener 2023; 24 (3-4): 343-346

電磁界ばく露筋萎縮性側索硬化症(ALS)の発症リスクを高めることが示唆されている。この研究は、ALSの発症年齢および進行率に対する電磁界ばく露の影響を調べた。ALS患者の大規模コホート(n = 1098)を診断時にジオローカライズした。同時に、電力線およびリピータアンテナの分布についてのデータを取得した。各リピータアンテナへのばく露を、各アンテナからの距離の二乗の逆数の総和として計算した。電力線へのばく露は、半径が異なる(100 m、250 m、500 m、1000 m、2000 m)複数の円の中心に各患者の住所があると仮定し、各半径の円に含まれる電力線の長さとして計算した。最後に、ばく露中央値に基づいて患者を低ばく露群および高ばく露群に割り付け、Mann-Whitney検定を用いて比較した。回帰モデル(各半径につき1回)も実施した。その結果、発症年齢および進行率のいずれについても、低ばく露群と高ばく露群で差はなかった。また、回帰モデルでも有意な関連は認められなかった。これらの知見は、電磁界はALSの表現型または進行を変化させないことを示唆している、と著者らは結論付けている。

ばく露