この総説の著者らは、高周波(RF)電磁界の測定プロトコルおよびばく露規制について以下のように論じている。
近年における通信技術の利用増加は著しい。これはユーザー数の増加、結果的に動作端末数の増加につながっている。モバイルネットワークは改善を続け、2004年から現在に至るまで、第3、第4、第5世代移動通信(3G、4G、5G)が開発され、通信速度と帯域が増大している。技術の成長に伴い、RF電磁界への長期間のばく露によって生じるかもしれない影響について適切に情報を与えられていないと感じる人々の懸念も高まっている。RF電磁界の発生源には、ワイヤレスデバイス間の通信を可能にする基地局などがある。こうした基地局は建物の屋上にあり、屋内ではBluetoothやWi-Fiといったワイヤレス通信技術を用いるルーター、ノートPC、携帯電話等がある。疫学ならびにイン・ビボまたはイン・ビトロのレベルでの複数の研究が、マイクロ波への長期間のばく露によって影響が生じるかもしれないと評価しているが、電磁界測定過程において用いられた手法の違い、ならびにばく露機器の構成(周波数、電力密度、ばく露時間等)の違いのため、結果の適切な比較ができず、結論を導くことを困難にしている。世界保健機関(WHO)が正式に認知している非政府組織の国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)が、0-300 GHzの周波数範囲の電磁界へのばく露限度についての国際的なガイドラインを策定している。スペイン、ドイツ、フランス、フィンランド等の大半の国々がICNIRPの限度値を採用している一方、デンマーク、ブルガリア、イタリア、スイス、中国、ロシアといった、より厳しい規制を行っている国もある。
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