[疫学研究およびばく露推定法の開発のための家庭用誘導加熱調理機から生じる中間周波磁界の測定] tech./dosim.

Measurement of Intermediate Frequency Magnetic Fields Generated by Household Induction Cookers for Epidemiological Studies and Development of an Exposure Estimation Model

掲載誌: Int J Environ Res Public Health 2022; 19 (19): 11912

この研究は、家庭用の誘導加熱(IH)調理器から生じる中間周波(IF)電磁界への妊婦のばく露をアンケートで推定し、疫学研究への適用可能性を検討した。家庭訪問調査を2回実施した。フェイズ1調査では推定モデルを開発し、フェイズ2調査ではそのモデルを検証した。推定モデルには、ワット数、料理道具[鍋やフライパン等]の直径、IH調理器の中心からの距離を盛り込んだ。4つのモデルを構築し、各々の変数の重要度、および疫学研究への一般的な適用可能性を判定した。加えて、フェイズ2調査のアンケートの回答に基づいてばく露推定値を計算し、Spearmanの順位相関係数を用いて実測値と比較した。その結果、フェイズ1調査で測定した磁界平均値は、調理台の高さでの水平距離30 cmで0.23 μT(分散:0.13)であった。変数にIH調理器の中心から身体表面までの距離を入力したモデルが、最も妥当性が高かった(相関係数 = 0.54、95%信頼区間(CI)= 0.22-0.75)。4つのモデルの妥当性に差はなかった。これは、検証母集団ワット数のバイアスによるものかもしれず、また汎用性のため、可能な限り3変数(距離、ワット数、料理道具の直径を用いた推定)を用いることが望ましいであろう。この研究は、70機種を超えるIH調理器から生じる磁界を実際の家庭環境で系統的に測定した初めてのものであり、IFばく露疫学研究において[測定用の]機器を用いずに量‐反応関係を見出すことに寄与するものである、と著者らは結論付けている。但し著者らは、この研究の限界の1つは、調理中の瞬間的なばく露しか推定していない点である、とも述べている。

ばく露