この論文の著者らは、ワイヤレス電力伝送の複数のコイル形状の包括的調査を実施し、各形状の効率、結合係数、相互インダクタンス、および磁束密度生成を分析した。その結果、ワイヤレス電気自動車充電(WEVC)システム内のコイル形状、電流励起、遮へい技法が、磁束密度漏えいに有意に影響力を及ぼすことが示された。この著者らは、電磁共鳴結合を介したWEVCスキームについての分析の枠組みも提唱している。EV充電中のヒトの相対位置に基づく複数のシナリオで、ヒトへの影響を含むWEVCシステムの安全上の考慮事項を調べた。3-D FEA ANSYS Maxwell Softwareを用いて、コイルからの様々な放射距離でのばく露測定を実施したところ、WEVCシステムは大電力での伝送が可能で、結果としてコイル周囲での磁束密度の漏えいが増える。調査結果から、充電シーケンス中のヒトおよび動物に対する安全距離が得られた。例えば、1 Aで動作する120mm らせんコイル、120 mm矩形コイル、600 mmらせんコイルでは、コイルから700 mmの閾値で比吸収率(SAR)レベルが閾値以下となる。8 Aで励起される600 mmのらせんコイルでは、コイルから900 mmでSARレベルが閾値以下となる。遮へいを用いた場合、安全距離は350 mmまで改善する。国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)のガイドラインを考慮した場合、コイルからの安全距離は600 mm、垂直方向では300 mm超で人に対して安全となる、と著者らは結論付けている。
このウェブサイトはクッキー(Cookies)を使って、最善のブラウジングエクスペリエンスを提供しています。あなたがこのウェブサイトを継続して使用することで、私たちがクッキーを使用することを許可することになります。