[電界および磁界によって生じ得る健康影響ならびにばく露ガイドラインについての幾つかの考察] basics

この総説の著者らは、弱い電界および磁界へのばく露によって生じるかもしれない健康影響、ならびに現行の安全ガイドラインについて、以下のように論じている。生体系は現行の安全ガイドラインよりも大幅に低いエネルギーレベルの弱い電磁界へのばく露に反応し、有意な温度変化なしに機能性の改変を生じることが、今では十分に確立されている。この論文では、高周波（RF）および超低周波（ELF）の両方でのナノテスラ磁界へのばく露に対し、がん細胞の成長率および活性酸素種の濃度の上昇と低下の両方を示す実験結果が引用されている。また、電磁界ばく露におけるばらつきがどのようにして異なる生物学的結果につながり得るか、また、フィードバックおよび修復プロセスがどのようにして低レベルの電磁エネルギー源への長期的なばく露による潜在的な健康影響を軽減するか、についての幾つかの理論的モデルが提示されている。特に興味深いものとして、電子の分極に影響を及ぼすラジカルペアメカニズム、核スピン、時間遅れのあるフィードバックループの重要性、生体系における振動に対する摂動のタイミング、を挙げている。これらのモデルは、見かけ上は矛盾する実験結果の一部を説明する助けになり、今後の研究を示唆している、と著者らは主張している。また、これらの観察結果を、携帯電話システムにおける電磁界ばく露に対する今後の安全ガイドラインの策定に特に重点を置いて考察している。