[V2X通信へのヒトの高周波電磁界ばく露] tech./dosim.

Human RF Electromagnetic Exposure to V2X-Communication

掲載誌: Adv Radio Sci 2022; 19: 233-239

自動運転・コネクテッドカーの時代には、より多くの車両が第4世代(4G LTE)、第5世代移動通信(5G)、Wi-Fi、Bluetooth、V2X[vehicle to everything:車車間/路車間通信]といったワイヤレス送信技術を装備することになる。V2X通信の技術的実装のため、セルラー-V2Xのような異なる規格が検討されている。車両の電磁環境およびこれに対応する一般公衆のばく露は、新たな無線技術に有意に影響される。全ての状況下で、車両内の電磁界ばく露がヒトに有害な影響を生じないことが担保されなければならない。結果的に生じるばく露の定量的評価のため、生じたばく露を正確に記録し、その特定の時間‐周波数スペクトルに応じて評価しなければならない。この論文の著者らは、V2X規格ITS-G5に適した新たな測定手順を、Wi-Fi、BluetoothおよびITS-G5のある異なる車両で実施した各種のばく露測定値とあわせて記述している。調査対象とした全てのワイヤレス規格の比較では、V2Xサービスが、運転席のウィンドスクリーンの内側に設置したダイポール‐パッチアンテナから送信時に最も高い電界強度を車内に生じ、ICNIRPガイドラインの参考レベルに対する比率は最大で15.1%に達することが示された。ワイヤレス車載機器からのばく露の合計は、送信アンテナを車室内に設置した場合にはITS-G5が大勢を占めることが示された。V2X通信は今後ますます道路交通に浸透していくことから、その結果として生じるばく露参考レベルを超えることがないよう、慎重に監視することが望ましい、と著者らは結論付けている。

ばく露