[地下鉄の駅ホームに立っている成人および子どもの乗客に対する電磁界ばく露の安全性評価] tech./dosim.

Safety assessment of electromagnetic exposure for adult and child passengers standing on the subway platform

掲載誌: Arch Electr Eng 2022; 71 (3): 755-773

この研究は、地下鉄の駅ホーム上での同軸ケーブル等の高周波RF)波源からの漏えい電磁界ばく露される成人および子どもの乗客の安全性を評価した。成人モデル、子どもモデルおよび同軸ケーブルのモデルをソフトウェアで数値的に設計した。900 MHzに対する成人および子どものモデルにおける誘導電界比吸収率SAR)、磁界および頭部の温度上昇を計算した。その結果、誘導電界、SARおよび磁界はそれぞれ、子どもの全身で2.00*10^(-2) V/m、1.07*10^(-7) W/kg、2.94*10^(-4) A/m、子どもの中枢神経系で1.00*10^(-2) V/m、2.44*10^(-8) W/kg、2.41*10^(-4) A/mであった。成人誘導電界、SARおよび磁界は子どもより1.49-2.34倍高かった。スクリーンドアが無い場合、スクリーンドアがある場合と比較して乗客モデルにおける誘導電界、SARおよび磁界は大きく、スクリーンドアにはRF電磁界に対して部分的に遮へい効果があった。6分間のばく露後の成人および子どもの頭部組織での最大温度上昇の値は、それぞれ0.2114および0.2111℃であった。これらの計算結果は、国際非電離放射線防護委員会ICNIRP)の一般公衆のばく露限度値よりも大幅に低く、同軸ケーブルからの漏えいによる地下鉄の駅ホームでのRF電磁界ばく露は乗客の健康に対して脅威ではないことを示している、と著者らは結論付けている。

ばく露