300 Hzまでの前庭電気刺激(EVS)は前庭の筋原性反応を生じる。300 Hzは国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)の2010年の超低周波(ELF)ガイドラインの上限で、このガイドラインは誘導電界による神経刺激からの労働者および一般公衆の防護に用いられている。EVSは手を伸ばして指を差すタスク(reaching and pointing task)にバイアスを生じることが知られており、電力周波数の前庭に特異的な電界は高いELF磁界環境での労働者の安全性および遂行能力にインパクトを及ぼす可能性がある。この研究は、指差し精度に対する前庭に特異的な電界のインパクトを調べた。健康な被験者20人の指差し精度を、直流(2 mA)および正弦波(ピーク値±2 mA、50 Hz)のEVSを用いて分析した。空間の向きおよび移動変数の量を用いて指差しの変調を調べた。その結果、事前試行では決定的な陽性対照効果があったものの、直流および50 Hz刺激のどちらにも有意な影響は認められなかった。これらの結果は、高いレベルのELFばく露でも、ヒトの指差し遂行能力を変調させることはできないことを示唆している、と著者らは結論付けている。
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