実証研究では、超低周波(ELF)磁界ばく露と複数の健康症状とが結び付けられているが、それらの症状が関連しているのが実際のばく露か、あるいは認知上のばく露なのかは不明である。この疑問に答えるため、この研究は、高圧電力線の近くにある高層オフィスビルに勤務する就労者の健康上の不満を調べた。ビル内の15のフロア全てで三軸センサーコイルを用いてELF磁界を測定した。並行して、アンケート調査を実施して就労者の各種の健康症状の有症率を評価した。多変量ロジスティック回帰を用いて、実際のばく露、および認知上のばく露と、就労者の健康上の不満との関連を定量化した。その結果、脱力感、頭痛、イライラ、心配が、測定されたばく露と認知上のばく露の両方と関連していた(p < 0.01)のに対し、認知上のばく露については眼の痛みおよび刺激(オッズ比(OR)= 1.4、95%信頼区間(CI)= 1.2-1.6)、眠気(OR = 1.3、95% CI = 1.1-1.5)、目眩および耳の痛み(OR = 1.2、95% CI = 1.0-1.4)との関連も認められた、と著者らは結論付けている。
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