[皮膚神経および毛細血管のミリ波誘導加熱] med./bio.

Millimeter-Wave Induced Heating of Cutaneous Nerves and Capillaries

掲載誌: IEEE J Microw 2023; 3 (1): 170-180

この研究は、連続的およびパルス化60 GHz平面波ばく露による皮神経および毛細血管のレベルでの微視的な加熱を定量化した。含水量に基づく複合方程式を用いて神経および毛細血管の熱特性を導出した。Pennesの生物熱方程式とArrheniusの方程式を併用し、有限要素法を用いて電磁的問題を解き、空間的および時間的な温度変化、ならびに皮神経および毛細血管内の熱的損傷を評価した。その結果、10 W/m^2での連続ばく露では、神経および毛細血管内の最大電力密度(それぞれ41.6 kW/m^3および20 kW/m^3)は周囲の皮膚よりそれぞれ37.3%および30.2%高く、ピーク温度上昇(ΔT、それぞれ93.3 n°Cおよび90.7 n°C)はそれぞればく露の5 μs後および10 μs後に生じ、周囲の皮膚よりそれぞれ19.2%および17.7%高かった。神経および毛細血管は約10 ms後に皮膚との熱平衡に達した。国際非電離放射線防護委員会ICNIRP)のガイドラインの下での最大許容フルエンス(0.48 kJ/m^2)のナノ秒およびマイクロ秒の60 GHzパルスによる皮膚および毛細血管での最大ΔT(それぞれ0.5 °Cおよび0.25 °C)は、周囲の皮膚よりそれぞれ34%および24%高かった。皮膚損傷損傷指数(Ω)= 0.15)を生じない皮神経の選択的熱アブレーション(Ω = 1.1)の可能性を示すため、冷却期間10秒で分割された10回の3 μs 60 GHzパルス電力密度 = 13.4 GW/m^2)を用いて、各種の皮下構造内の局所的なミリ波誘導加熱についての有益な洞察が得られた、と著者らは報告している。

ばく露