第5世代(5G)ワイヤレス通信システムでは24-28 GHzの高周波帯域が用いられるが、この周波数帯域の電磁界からの人体防護を評価する研究は限定的である。国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)および電気電子学会(IEEE)はそれぞれ2020年および2019年にガイドライン/規格を改定し、主に6 GHz超の周波数でのばく露指標とそれに対応するばく露限度を変更したが、これはこの周波数帯の電磁波の生体組織における浸透深度が1 cm未満であるためであり、よって皮膚および皮下組織のモデリングが重要である。この研究は、総吸収電力(TAP)、吸収電力密度(APD)、および皮膚の厚さによるAPDのばらつきを、皮膚の厚さが異なる七種類の現実的なヒト頭部モデルで評価した。その結果、表面平滑化を用いないモデルでは、平滑化を用いたモデルよりもTAPが高かった。皮膚の厚さを現実的に変化させたモデルでの周波数領域のTAPの変化の量は、皮膚の厚さを一様にしたモデルよりも少なかった。これは、強い定在波の抑制による。皮膚の厚さに関連して4 cm^2または1 cm^2で平均化したAPDのばらつきの最大値は、それぞれ約20%および10%であった。入射電力密度の限度については、APDはガイドラインを下回った。これらの結果は、国際的なガイドラインの今後の改定に有益である、と著者らは結論付けている。
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