この研究は、最適な生理学的条件下での生細胞に対する超低周波(ELF)電磁界の影響を調べるため、他のELF電磁界システムにおける複数の限界を排除した新たなシステムを設計・構築した。アポトーシスおよび細胞数を、それぞれフローサイトメトリーおよびトリパンブルー色素排除法で評価した。イン・ビトロでの細胞生存率を、コロニー形成アッセイで評価した。細胞周期における細胞の分布、細胞内活性酸素種(ROS)レベル、およびオートファジーを、フローサイトメトリーで分析した。細胞分化の中断を、ラテックス粒子の食作用およびニトロブルーテトラゾリウム(NBT)還元アッセイで評価した。その結果、ELF電磁界ばく露に対する応答は特異的で、細胞の生物学的状態に依存することが示された。DU145[ヒト前立腺がん細胞株]、HUVEC[ヒト靭帯静脈内皮細胞株]、およびK562[ヒト骨髄性白血病細胞株]では0.01 Hzの周波数で、MDA-MB-231[ヒト乳がん細胞株]では1 Hzで、それぞれ最適な結果が得られた。接着細胞におけるELF電磁界への長期ばく露は、細胞周期がG2/M期の細胞集団を停止させ、細胞内ROSレベルを上昇させ、形態学的変化および細胞死につなげることで、増殖を効果的に抑制した。ELF電磁界にばく露したK562細胞は、オートファジーの誘導および細胞数の減少を通じて分化した。この新たなシステムは、細胞の形態、ならびに増殖、分化および細胞死を含む細胞の挙動を変化させ得る、と著者らは報告している。
このウェブサイトはクッキー(Cookies)を使って、最善のブラウジングエクスペリエンスを提供しています。あなたがこのウェブサイトを継続して使用することで、私たちがクッキーを使用することを許可することになります。