[5.4 GHzの高周波電磁界へのばく露下のクロバエ(Calliphora vomitoria)の発達の研究のための新たな手法のパイロット研究] med./bio.

Pilot Study of a New Methodology to Study the Development of the Blue Bottle Fly (Calliphora vomitoria) Under Exposure to Radio-Frequency Electromagnetic Fields at 5.4 GHz

掲載誌: Int J Radiat Biol 2023; 99 (9): 1439-1455

高周波RF電磁界への昆虫のばく露は発達への影響を生じ得るが、そのような影響につながり得るばく露レベルは明確には理解されていない。この研究は、5.4 GHzのRF電磁界へのばく露下でのクロバエの発達への影響を、解剖学的に正確なクロバエの三次元(3D)モデルを用いた数値ドシメトリ、ならびにRFばく露実験の両方を用いて調べた。クロバエの発達は熱に影響され得ること、サナギの数日間の不動期間中にRFばく露が可能であることから、これをモデル生物として選択した。5.4 GHzは免許不要でばく露セットアップの動作が可能であることから、これを用いた。マイクロCTスキャンを用いて取得した、クロバエの解剖学的に正確な3Dモデルでの数値シミュレーションを用いた。このシミュレーションにより、ばく露実験中の吸収電力および全身平均比吸収率SAR)の推定が可能となった。サナギ400匹をばく露群(TEMセル内に48時間配置)と同時対照群に分け、3つのばく露条件(2つの異なるばく露レベル、および擬似ばく露)での実験をデザインし、実施した。電界強度の測定を用いて、ばく露セットアップの適切な機能を検証した。その結果、全ての群で、同様の質量、長さ、および直径が示された。一方のばく露群では対照群群と比較して、サナギの総羽化率が低下したが、もう一方のばく露群では対照群との差は認められなかった。擬似ばく露群および低ばく露群(19.4 V/m)では同時対照群と比較して、それぞれ羽化の中央値に4時間および8時間の遅れが生じた。高ばく露群(55 V/m)では中央値で8時間の発達の加速が生じた、と著者らは報告している。

ばく露