この研究は、職業的な超低周波(ELF)磁界ばく露の甲状腺への生物学的影響を調べた。電磁式航空機射出装置(カタパルト)から生じるELF磁界(100 μT、10-100 Hz)にばく露された労働者85人(ばく露群)について前向き分析を実施し、甲状腺機能指標、免疫学的指標、カラードプラ画像を3年間フォローアップした。加えて、健康なボランティア被験者116人を対照群として無作為に抽出し、甲状腺機能をばく露群と比較した。その結果、両群間で甲状腺機能に有意差は認められなかった。ばく露群のフォローアップ中、ばく露時間の増加に伴う遊離トリヨードサイロニン(FT3)の血清レベルの緩やかな低下、および遊離サイロキシン(FT4)レベルの緩やかな上昇が認められた。但し、3年間に甲状腺刺激ホルモン(TSH)の有意差は認められず、両群間でFT3、FT4およびTSHレベルに有意差は認められなかった。更に、両群間で甲状腺自己抗体レベルおよび超音波画像の時間経過に伴う有意な変化は認められなかった、と著者らは報告している。
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