[ヒトの主観的な視覚的垂直知覚に対する前庭の超低周波磁界および電気刺激の影響] med./bio.

Vestibular Extremely Low-Frequency Magnetic and Electric Stimulation Effects on Human Subjective Visual Vertical Perception

掲載誌: Bioelectromagnetics 2022; 43 (6): 355-367

超低周波(ELF)磁界交流AC刺激の両方からの電界はヒトの神経生理学に影響を及ぼす。網膜光受容体である前庭有毛細胞は勾配電位細胞で、電界に対して敏感である。電気閃光および磁気閃光についての文献から、前庭有毛細胞に対するACとELF磁界の影響は異なることが示唆されている。更に、ACは前庭系をより全体的に調節するのに対し、側頭ELF磁界刺激は卵形嚢に対して特異的である可能性がある。このため、この論文の著者らは、ヒトの前庭系に対するELF磁界による誘導電界の影響に対処するため、主観的視覚垂直性(SVV)パラダイムを用いて、垂直知覚に対するこれら[ELF磁界とACによる]両方の[誘導電界刺激モードの影響を調べた。その結果、同等のレベルのSVV精度に対し、ELF磁界条件はSVVの調節により長い時間を必要とし、SVVのばらつきはACよりもELF磁界の方が大きかったが、その差は小さかった。この研究は全体として、ACとELF磁界による前庭刺激の差は小さく、卵形嚢の潜在的な寄与を強調するものであり、国際的なばく露ガイドラインおよび規格に対する意味合いを有している、と著者らは結論付けている。

ばく露