[電磁界を原因と考える本態性環境不耐症(IEI-EMF)その2:重症のIEI-EMFの3人の生態学的瞬時評価] med./bio.

An idiographic approach to Idiopathic Environmental Intolerance attributed to Electromagnetic Fields (IEI-EMF) Part II. Ecological momentary assessment of three individuals with severe IEI-EMF

掲載誌: Heliyon 2022; 8 (5): e09421

電磁界を原因と考える環境不耐症(IEI-EMF)は、弱い電磁界ばく露が原因とされる非特異的な身体症状で特徴付けられる自己申告の過敏症をいう。この研究は、複雑な生物心理社会学的アプローチの一環として、生態学的瞬間的評価(EMA)プロトコルを適用し、個人レベルでの実際の高周波RF電磁界ばく露とIEI-EMFとの時間的関係を調べた。重症のIEI-EMFを呈する3人の参加者について、ホルター心電図(ECG)モニターを用いた自律神経変数および個人用ばく露測定器を用いた環境中のRF電磁界の連続的測定、ならびに瞬間的な内部状態(症状、気分、認知上の電磁界強度)および状況要因の筆記での反復的(8回/日)評価を21日間実施した。時間的関係は時系列分析で調べた。その結果、2人の参加者については、疑われる電磁界周波数範囲と症状の申告との関連は支持されなかったが、別の周波数範囲(GSM900ダウンリンク)との逆の関連が認められ、これはIEI-EMFの条件と矛盾した。自律神経の活性化に関連する知見には一貫性がなかった。3人目の参加者については、症状の申告および自律神経反応の両方との関連の主張が部分的に(UMTSダウンリンク、総RF、二乗平均値について)支持された。これらの知見から、IEI-EMFには単一の病因がないことが示唆される、と著者らは結論付けている。また、EMAはIEI-EMFの病因の調査に有益な手法である、と述べている。

ばく露

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