先行研究およびプール分析で報告されているように、電力線への住居の近接度と高磁界ばく露は小児白血病のリスク上昇と関連しているかもしれない。高圧電力線からの磁界ばく露はそれへの近接度と関連しているが、結果としてそこからの距離と共に変化する何らかの要因とも関連している。カリフォルニア州の電力線下の地域は、民間屋外種苗場とされることがあり、そこでは小児白血病の潜在的なリスク要因の一つである農薬が利用される可能性がある。この研究は、民間屋外種苗場からの潜在的な農薬ばく露が、小児白血病のリスク上昇に対し、高圧電力線への近接度、またはそこからの磁界ばく露に交絡している、あるいは相互作用しているかどうかを調べた。小児白血病の包括的な症例対照研究(1986-2008年にカリフォルニア州で生まれ、診断された症例5788人、および対照5788人)を実施した。地理情報システム、衛星画像、現地踏査、およびその他の歴史的情報を組み込んだモデルを用いて、農薬、電力線、磁界ばく露を評価した。その結果、磁界計算値と小児白血病との関連(オッズ比(OR)= 1.51、95%信頼区間(CI)= 0.70-3.23)は、種苗場への近接度について調節した場合(OR = 1.43、95% CI = 0.65-3.16)、または種苗場から離れた住居(>300 m)に住んでいた被験者に分析を限定した場合(OR = 1.43、95% CI = 0.79-2.60)に減少した。高圧電力線からの距離と小児白血病のリスクとの関連についても同様の関連のパターンが認められた。種苗場への近接度と小児白血病のリスクとの関連は、磁界計算値または電力線からの距離について調整しても変化しなかったか、僅かしか減少しなかった。磁界計算値が高い、または電力線の近くに住んでいた被験者を除外しても、ORは依然として2を超えていた(それぞれについて、OR = 2.16、95% CI = 0.82-5.67;OR = 2.15、95% CI = 0.82-5.64)。期間、参照カテゴリー、[磁界の]カットポイントが異なる場合でも、観察された関連は強固であった。種苗場への住居の近接度は小児白血病の独立したリスク要因であることが示唆された。これらの結果は、電力線への近接度および磁界ばく露と小児白血病のリスクとの間に観察された関連を、種苗場が説明するものではないことを示している。高い磁界にばく露され、電力線および種苗場の近くに住んでいた被験者は少数で、潜在的な交絡を評価するには十分ではなかった、と著者らは結論付けている。
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