[ラットの末梢血におけるガンマ-H2AX発現に対するガンマ線とWi-Fi放射への同時影響：放射線防護ノート] med./bio.

核医学的処置を受ける患者は、放射性医薬品の注射後に病室に隔離されるが、彼らはそこで自身のスマートフォンのWi-Fiやその他の環境中の高周波（RF）電磁界にばく露されることがある。この研究は、ガンマ線とWi-Fi電波への同時ばく露の生物学的影響を、ラットの末梢血リンパ球におけるDNA二本鎖切断の増加レベルを測定することで評価した。雄のWistarラット50匹を、Wi-Fi（送信機から15 cmで電力密度4.2 nW/cm^2）単独、テクネチウム99m（99m Tc、100 μCiを腹腔内注射）単独、または双方同時に、2時間、24時間、または72時間ばく露した。全身麻酔後の心臓穿刺によって血液サンプルを採取した。単核細胞を密度勾配遠心分離で抽出し、核あたりのガンマ-H2AXフォーカス数をフローサイトメトリーで計数した。群間の統計的差異を反復測定の分散分析で判定し、クラスカル・ワリス検定で分析した。その結果、ガンマ-H2AX発現の様態は3群間で異なり、72時間後には3群間でガンマ-H2AX数に有意差が認められた。Wi-Fiとガンマ線への同時ばく露は、99m Tc注射の72時間後の末梢血リンパ球におけるDNA二本鎖切断を増加させ得る、と著者らは結論付けている。