この論文は、携帯電話の電磁界が頭痛に及ぼす影響についての研究の系統的レビューおよびメタ分析である。PubMed、ScopusおよびWeb of Science等の主要なデータベースを、適切な検索ワードおよび「系統的レビューおよびメタ分析のための優先的報告項目」(PRISMAガイドライン)を用いて検索し、適格な研究を取得した。アブストラクトおよび全文スクリーニングの後、33報を取得し、影響のサイズをオッズ比(OR)として抽出した。研究間の不均一性をI2統計およびQ検定で評価し、出版バイアスをファンネルプロットならびにEggerおよびBeggの検定で評価した。その結果を受けて、33報の適格な研究のうち30報をメタ分析に盛り込んだ。全ての研究を考慮した場合、プールした影響のサイズとしてOR = 1.30(95%信頼区間(CI)= 1.21-1.39)が得られたが、研究間の不均一性が有意であった。不均一性の発生源を見出すため、参加者の年齢および電磁界ばく露期間を考慮したサブグループ分析を実施したところ、参加者の年齢を変数とした場合、18歳未満および18歳以上でそれぞれOR = 1.33(95% CI = 1.14-1.53)およびOR = 1.29(95% CI = 1.20-1.37)であった。ばく露期間を考慮した場合、1週間あたり100時間未満および100時間以上でそれぞれOR = 1.41(95% CI = 1.22-1.61)およびOR = 1.23(95% CI = 1.12-1.34)であった。年齢及びばく露期間(主に通話時間)が研究間の不均一性の発生源であることが示された。更に、高齢者では通話時間の増加が頭痛のリスクを高めることが示された、と著者らは結論付けている。
このウェブサイトはクッキー(Cookies)を使って、最善のブラウジングエクスペリエンスを提供しています。あなたがこのウェブサイトを継続して使用することで、私たちがクッキーを使用することを許可することになります。