白血病は世界中の子どもおよび若年者で最も一般的なタイプのがんである。このレビューは、(1) 小児急性リンパ芽球性白血病(ALL)の発症についての環境リスク要因のばく露ウィンドウによる合成を提示し、(2) 証拠の強さおよびリスクの程度を評価し、一例として(3) ドイツの人口集団における有病率を推定することを意図している。PubMed、Web of Scienceデータベースおよび参考文献リストを通じて、関連する系統的レビューおよびプール分析を同定・取得した。小児ALLとの説得力のある関連が認められたのは、僅か2つのリスク要因(幼児期の低線量の電離放射線、母親の妊娠前/妊娠中の一般的な殺虫剤ばく露)であった。超低周波(ELF)磁界、原子力関連施設の近傍での居住、石油、ベンゼン、溶剤、家庭用塗料へのばく露等、その他のリスク要因についてはいずれも、関連の若干の証拠が認められた。母親の妊娠中のコーヒーおよびコーラの高摂取(> 2杯/日)、母親が妊娠中の父親の喫煙、母親の不妊治療薬の服用、高出生体重(≥ 4000 g)および帝王切開についても、関連の若干の証拠が認められた。母親の葉酸およびビタミン剤の服用、母乳育児(≥ 6か月)および保育園への通園については、小児ALLとの逆の関連の若干の証拠が認められた。但し、これらの証拠はほぼ全てが症例対照研究に由来し、潜在的な選択バイアスおよび想起バイアスが懸念されること、経験的に観察された関連が因果関係を反映しているかどうかについては疑問の余地があることから、このレビューの結果の解釈には注意を要する、と著者らは結論付けている。また、最終的な目標である一次予防のため、小児ALLの原因となるリスク要因の確立には、厳密で信頼できる測定を含むばく露評価方法の改善や、より良いインタビュー方法が必要である、と述べている。
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