[各種世代の移動通信によってヒトの脳に対して生じるかもしれない健康影響：レビューに基づく5Gのインパクトの推定] review

この論文の著者らは、各種世代、特に第5世代（5G）の移動通信技術によってヒトの脳に生じるかもしれない健康影響の違いを明らかにするため、過去15年間の実験研究をレビューし、高周波（RF）電磁界の影響の周波数および信号構成への依存性を決定する物理的メカニズムおよび要因について考察している。450-2500 MHzの周波数範囲の第2、第3および第4世代（2G、3G、4G）移動通信技術によるヒトの脳への影響についてのヒト実験研究が分析のために入手可能でったが、5Gまたは2500 MHzを超える周波数のRFによるヒト実験研究についての論文はなかった。レビューの結果、異なる世代の移動通信技術によるRF電磁界ばく露の影響の特徴とばく露のパラメータとの間には、一貫性のある関連は認められなかった。10 GHz未満の周波数では、5Gと従来世代との比較で大きな違いはないはずである。より高い周波数では、浸透深さはより小さくなるので、影響は従来世代よりもむしろ弱い。10 GHzよりも高い周波数では作用のメカニズムが異なるかもしれないので、この周波数を用いた5Gのインパクトは予想できない。ミリ波の影響のメカニズムについての既存の知識には、十分な実験データと信頼し得る結果を得るための理論的モデルが欠如している、と著者らは結論付けている。