この研究は、日本人の人口ベースの前向きコホート研究から、慢性的な化学物質不耐症(CI)に関与している小児の体質的および環境的要因を調べた。このコホートで6年間に4683人を同定した。自記式アンケートを用いて、CIの状態、病歴、小児期の体質、ライフスタイル、住居環境、最近の心身状態についての情報を取得した。追跡中に持続的なCI状態にある個々人と、CI状態にない対照者を比較した。合計2500人が回答した。その結果、多重ロジスティック回帰分析では、小児期の慢性的なCIと、車酔いおよびアレルギー性結膜炎との有意な関連が認められた。CIのリスク上昇の可能性と、住居近傍の高圧送電線の存在、壁材のビニルカバーの使用、家族による強い芳香剤の使用、小学校での塗料やワックスの臭気の存在との関連が認められた。但し、床材のカーペットの使用および壁材の漆喰コーティングの使用は、CIのリスク低下の可能性と関連していた。自律神経系に固有の感受性を含む、小児期の幾つかの潜在的な体質的素因が、CIの発症に関与しているかもしれない、と著者らは結論付けている。
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