[網膜における磁気閃光および電気閃光の閾値：ドシメトリモデリング研究] tech./dosim.

時間変化する磁界または電流によって生じる点滅光の知覚は、磁気または電気眼内閃光と呼ばれる。国際的なガイドラインおよび規格では、中枢神経系に影響を生じるばく露の閾値の推定値として眼内閃光の閾値を用いてきたが、推定された閾値には大きな不確かさがある。この研究は、眼内閃光の閾値を5つの眼内閃光閾値実験のシミュレーションにより近似した。電気および磁気刺激によって網膜に誘導される電界および電流を、有限要素法および14の解剖学的に現実的な人体頭部の計算モデルを用いて計算した。その結果、網膜の電流密度の半径方向成分は、6.0-20.6 mA/m^2の範囲であるとされた。この研究では、詳細な解剖学的モデルを用いて、網膜の電流密度の閾値についてのより正確な推定値が得られ、先行研究と比較して、この推定値では不確かさの範囲が低減された。これらの結果は、網膜での眼内閃光のメカニズムの研究、および中枢神経系に対するばく露限度の策定に有益である、と著者らは結論付けている。