[陰謀論と科学的革新の拒絶との関連] risk

この論文の著者らは、科学に基づく技術革新が一部の人々によって陰謀論の一部として拒絶されていることから、オーストラリアおよびニュージーランドの国民の代表的サンプル（それぞれn = 1011、n = 754）で、5つの陰謀論と反科学的態度との関連を調べた。その結果、遺伝子組み換え食品および原子力利用に対しては幅広い国民の反対がある一方、再生可能エネルギー、再生水、第5世代移動通信（5G）ネットワーク、子どものワクチン接種は受容性がより高かった。科学的革新の拒絶と陰謀論との関連は小～中程度であった。陰謀論と反科学的態度との関連を推定した多変量モデルでは、特に子どものワクチン接種、遺伝子組み換え食品、5Gネットワークについて、重要な関連が示唆された。著者らは、社会的に論争の的となる技術革新についての科学的証拠に基づく主張に対し、何が拒絶を動機付け、それを維持させるのかを理解する上で、陰謀論のような要因を調べることの重要性を考察している。