この研究は、第5世代移動通信(5G)のミリ波への人体の局所ばく露の生物学的影響を調べるため、新規の60 GHz帯のばく露セットアップを開発し、その性能を検証した。ヒトの皮膚の標的エリアに対する高強度の60 GHz照射を達成するため、誘電体レンズアンテナ2個を用いた空間合成ビーム型のばく露セットアップを提案している。ばく露エリアでの電磁界の様々な分布および強度(組み合わせたビームの入射角で変更)を、有限差分時間領域法(FDTD)でシミュレートした。著者らが推定したばく露性能を、ミリ波ばく露中の腕型シリコンファントムの表面温度上昇で検証した。その結果、二方向のビーム照射の組み合わせによってばく露エリアに生じる干渉縞が、シミュレーションとファントム実験の両方で観察されたが、これは直交化分極給電構造を用いることで排除された。このばく露条件下では、温感を惹起し得る局所的な温度変化が、ヒトの前腕部皮膚の標的エリアで得られ、意図したばく露性能が達成された、と著者らは結論付けている。
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