臓器の子宮内発達は多くの環境要因に容易に影響される。この研究は、精巣の子宮内発達に対する、周波数2.45 GHz、比吸収率(SAR)1.73 W/kgのマイクロ波放射の影響を調べた。妊娠したアルビノラットを、妊娠期間を通じてマイクロ波放射に全身ばく露(2時間/日)した。出生後の雄の仔ラット(n = 12、35日齢)はばく露しなかった。その結果、子宮内ばく露は精巣に明確な構造変化(精細管の不規則な形状、精細管の直径の有意な減少(p < 0.05)および胚上皮の高さ(p < 0.01)、生殖細胞の崩壊、未成熟生殖細胞の剥離、巨大な多核細胞の形成、 間質の有意な(p < 0.01)拡大、等)を生じた。透過電子顕微鏡のレベルでは、精細管の基底膜の不規則性、ならびに、セルトリ細胞、生殖細胞、ライディッヒ細胞、尿細管周囲および内皮細胞の胞細胞質および悪影響を受けた細胞小器官の空胞化、が認められた。ばく露群では対照群と比較して、隣接するセルトリ細胞間の密着結合は不完全なものが多く、壊死性の生殖細胞が多かった。ばく露群では、生殖細胞の壊死の増強がフルオロジェイドC法で、また生殖細胞増殖の低下が増殖細胞核抗原分析で認められた。これらの結果は、マイクロ波放射への出生前ばく露はラットの出生後の精子発達に悪影響を及ぼすことを示している、と著者らは結論付けている。
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