腫瘍治療法としての電気化学療法(ECT)は皮膚および皮下の腫瘍に対して承認されている。この研究は、携帯電話から発せられるものと同様の217 Hzでパルス変調された900 MHzの高周波(RF)電磁界が、ECTの作用機序(腫瘍の低酸素、免疫系の反応、腫瘍の体積)に及ぼす影響をイン・ビボで調べた。Balb/cマウスの右脇腹に4 T1細胞[マウス乳がん細胞株]を皮下注射した。マウスを比吸収率(SAR)2 W/kgのRF電磁界に10分間/日ばく露した後、2種類のECT(70 V/cm-5 kHz、70 V/cm-4 kHz)で処理した。腫瘍の低酸素をHIF-1α[低酸素誘導因子-1α]免疫組織化学アッセイで分析した。免疫系の応答を評価するため、IL-4[インターロイキン-4]およびインターフェロン-γ[INF-γ]のレベルをELISA[酵素結合免疫吸着法]で推定した。ECT処理後の24日間の腫瘍の体積の変化を測定した。その結果、RF電磁界はECTによる低酸素を有意に強めることが示された(70 V/cm-5 kHzで約13%、70 V/cm-4 kHzで約11%)。但し、ECTによる免疫系の応答(IL-4およびINF-γのレベル)ならびに腫瘍の体積変化への有意な影響は認められなかった、と著者らは報告している。
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