[ミリ波での電磁ドシメトリ用のヒト皮膚付属器官の高解像度モデル] tech./dosim.

High-Resolution Model of Human Skin Appendages for Electromagnetic Dosimetry at Millimeter Waves

掲載誌: IEEE J Microw 2022; 2 (1): 214-227

この研究は、5G/6G[第5/第6世代移動通信]用の60 GHzでの、皮下付属器官の高解像度3D解剖学的CADモデル内における局所電力および電界分布を評価した。皮膚神経リンパ管、毛包脂腺単位、微小血管系、エクリン汗腺、マイスナー小体およびパチニ小体の微小スケール解像度モデルを、形態計測データおよび顕微鏡画像に基づいてデザインした。マクスウェルおよびハナイの混合方程式を用いて皮下付属器官の複素誘電率を得た。皮下付属器官を一様な平面波にばく露した。有限要素法を用いて電力損失密度(PLD)および内部電界(EE)を計算した。その結果、皮下付属器官での最大PLDはEEがその器官の最長寸法に沿う場合に生じた。アクロシリンギウム(45%)、表皮軸索(37.9%)、パチニ小体(32.5%)、毛細血管(30.6%)、リンパ毛細血管(20%)、立毛筋(13.5%)などの水分含有量が高い皮下付属器官では、周囲の皮膚と比較して、より高いピークPLDが認められた。水分含有量が低い毛では、周囲の皮膚と比較して、より高いピークEE(45.1%)が認められた。皮下付属器官のインターフェイスでも、周囲の皮膚と比較して、より高いPLD(23.8%-60.9%)が認められた。これらの結果は、今後のワイヤレス通信に用いられる周波数での皮膚における微小スケールでの電力吸収についての洞察を提示するものである、と著者らは結論付けている。

ばく露