高周波(RF)電磁界ばく露が安静時の脳の活動に及ぼす影響は、複数の研究で脳電図(EEG)を介して調査され、最も一貫性のある影響がアルファ波の電力スペクトル密度(PSD)に対して認められているが、PSDの上昇を報告した研究も、低下を報告した研究も、影響が認められなかった研究もある。これらの違いは、部分的には、被験者間の脳の生理学的状態のばらつきによるものかもしれないということが示唆されている。この研究は、アルファ帯域の変調をPSD分析で調べた。健康なボランティア被験者21人が、二重盲検、無作為化、カウンターバランス化クロスオーバーデザインの研究に参加した。開眼および閉眼での安静時EEGを記録した。ばく露装置では、GSM 900 MHz携帯電話(217 Hzでパルス変調、平均出力250 mW、ピーク出力2 W、組織1 gあたりの最大比吸収率(SAR)0.70 W/kg)へのばく露または擬似ばく露を生じた。実験プロトコルは、ばく露なしのベースライン記録フェイズ、ばく露装置を左耳にあてがうばく露フェイズ、ばく露後フェイズとした。ベースラインおよびばく露フェイズからのEEGデータを分析し、アルファ帯についてのPSDを8-12 Hzの固定範囲および個別のアルファ帯周波数範囲(IAF)について計算した。その結果、それぞれ閉眼および開眼記録条件に関連して、ばく露中の両方のアルファ振動のEEGパワーの低下または上昇傾向が認められたが、統計的有意差には届かず、アルファ帯域の周波数における個人差に関連した携帯電話のRF電磁界に対する感受性の差異の証拠は得られなかった、と著者らは報告している。
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