研究のタイプ: 医学/生物学の研究

[活性が異なる抗生物質にばく露したメチシリン耐性黄色ブドウ球菌株の感受性プロファイルに対する回転磁界の影響] med./bio.

The Effect of Rotating Magnetic Field on Susceptibility Profile of Methicillin-Resistant Staphylococcus aureus Strains Exposed to Activity of Different Groups of Antibiotics

掲載誌: Int J Mol Sci 2021; 22 (21): 11551

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)は、ほとんどのβ-ラクタム系抗生物質、ならびにその他の抗生物質に耐性を有することから、地球規模でヘルスケア上の問題となっている。この研究は、9株の黄色ブドウ球菌(うち8株はメチシリン耐性株、1株はメチシリン感受性)に対する回転磁界と各種の抗生物質(β-ラクタム、糖ペプチド、マクロライド、リンコサミド、アミノグリコシド、テトラサイクリン、およびフルオロキノロン)の併用のインパクトを調べた。その結果、対照群と比較して、細胞壁干渉する(特にβ-ラクタムの場合)抗生物質と回転磁界との併用は、ブドウ球菌の成長阻害領域または最小発育阻止濃度(MIC)値における好ましい変化に翻訳されることが示された。一例として、セフォキシチンのMIC値は全てのMRSA株で最大42倍低下した。β-ラクタムの他に、MIC値の低下がエリスロマイシン、クリンダマイシン、テトラサイクリン(3株)、シプロフロキサシン(1株)、ゲンタマイシン(6株)、テイコプラニン(7株)で認められた。イン・ビトロのバイオフィルムモデルを用いて得られた結果から、回転磁界によって細胞壁に生じたかく乱が、MRSAに対する抗生物質の効果を高めることが確認された。MRSAに対して有効な新たな治療上のオプションの臨床的受容には議論の余地はないことから、この研究の結果と結論は、MRSAによる感染症との戦いへの磁界の応用に向けた重要な道筋とみなすことができる、と著者らは結論付けている。

ばく露