磁気共鳴画像撮影(MRI)従事者は有意な静磁界および低周波磁界にばく露されるが、そうした従事者には様々な自覚症状の高い有病率が観察されている。この研究は、イタリアの異なる医療機関に就労するMRI従事者のグループにおける非特異的な自覚症状および「中核的な症状」の有病率、ならびに、個人的および職業的特徴との間にあるかもしれない関連を調べた。イタリアの6か所の病院および研究センターで就労する被験者240人(うちMRIヘルスケアおよび研究従事者177人、ならびに同じ部門に就労する非ばく露群の被験者63人)について、11の自覚症状の発生率をアンケートで調べた。ばく露はMRIスキャナーの種類(≤1.5 vs. ≥3 T)および従事者が参加/実施したMRI業務の回数に従って主観的に調べた。但し、従事者がスキャナー室に出入りした頻度についての情報は収集しなかった。症状と推定上の電磁界ばく露との間にあるかもしれない関連、当該集団の主な特徴、職業上のストレス認知を分析した。その結果、従事者の86%が、少なくとも1つの症状を報告した。最も多い症状は眠気、頭痛、睡眠障害であった。ばく露群の従事者と対照群で症状の合計に差はなかった。従事者が報告した年間のMRI業務の総数を検討したところ、症状の総数または「中核的な症状」との有意な関連は認められなかった。眠気を訴えた被験者は、眠気を訴えなかった被験者と比較して、≤ 1.5 Tのスキャナーでの有意に高い平均年間のMRI業務回数を報告した。多変量モデルでは、認知上のストレスが高いレベルの被験者がより多くの症状を訴えた(p = 0.0002)。この研究では、MRI従事者の可逆的な自覚症状(特定の「中核的な症状」を含む)の発生と、静磁界および低周波磁界への職業的ばく露との関連は認められなかったが、職業的なストレスが果たす役割は無視できないようである、と著者らは結論付けている。また、今後の研究では電磁界ばく露の測定を考慮することが望ましい、としている。
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