この研究は、ウシ水晶体における誘電率のばらつきによって生じるS-パラメータを測定することで、マイクロ波の非熱作用を評価した。統合的な生物学的実験装置をデザインし、ウシ水晶体をマイクロ波放射に定量的にばく露し、S-パラメータを測定した。また、ウシ水晶体へのマイクロ波の非熱作用の反応メカニズムを評価するため、形態学的評価も実施した。その結果、マイクロ波照射量に応じてウシ水晶体は徐々に曇ってきて、屈折率は有意に変化した。ヘマトキシリン・エオシン染色では、ウシ水晶体における変化は、マイクロ波放射によって揺すられた線維組織の振動と摩擦による、水晶体上皮細胞の核の断片化および水晶体線維細胞の無秩序な配列の結果かもしれないことが示された。更に、マイクロ波の非熱作用はウシ水晶体の誘電率のばらつきにつながり得ることも示された。これらの知見は、ウシ水晶体の生理学的状態を誘電率で定量的に記述できるかもしれないことを示唆している、と著者らは結論付けている。
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