研究のタイプ: 疫学研究

[本態性環境不耐症の発症の心理学的モデル:長期的な人口集団ベースのデータからの証拠] epidem.

Psychological models of development of idiopathic environmental intolerances: Evidence from longitudinal population-based data

掲載誌: Environ Res 2022; 204 Pt A: 111774

本態性環境不耐症(IEI)の起源は未解決である。一般的な精神病理学モデルでは、負のメンタルヘルスに向かう性向がIEI発症の確率を高める。帰属モデルでは、経験された身体症状の間違った帰属が重要であることが強調されている。このため、症状がより多いほど、より多くのIEIを生じることになる。ノセボモデルでは、IEIの発症における予期の役割が強調されている。この場合、環境要因の有害な影響についての心配がIEIを惹起すると仮定される。この論文の著者らは、仮説上の関連性を検証するために、ほぼ代表的な大規模コミュニティサンプルから2つの時点(6年間隔)で取得した縦断データに基づく潜在因子を持つモデルを推定した。その結果、化学物質不耐症、電磁過敏症、および聴覚過敏が、IEIの一般的な潜在因子の下で良くフィットすることが示された。また、この因子は相当に時間的に安定であることが示された。但し、IEIと身体症状の増加および現代的な健康不安との正の関連が6年後に認められたが、その期間の変化は、3つの心理学的モデルで仮定されたようには予測できなかった、と著者らは報告している。

ばく露