携帯電話からの高周波(RF)放射は国際がん研究機関(IARC)によって「ヒトに対して発がん性があるかもしれない(グループ2B)」に分類されているが、これまでのところ、携帯電話使用ががんリスクであるかどうかについての議論は解決していない。このため、がん発生率の傾向についての監視を継続することが重要である。この論文の著者は、選択されたがんについて、1996-2017年の性別ごと、および5歳刻みの年齢グループごとの年間発生率および年齢で直接的に調整した発生率を、英国国家統計局から取得した。RFばく露と関連しているとの仮説が提唱されている、脳、耳下腺、甲状腺、直腸結腸のがんについて、寄与リスク因子としての携帯電話使用に照らした解釈を実施した。脳および耳下腺のがんについて先行研究の論文発表後の10年間についてアップデートしたところ、依然として携帯電話使用との関連の証拠はほとんど得られなかった。これらの生態学的データに基づけば、携帯電話使用は直腸結腸または甲状腺のがんの発生率の上昇に寄与する潜在的リスク因子としては排除できなかったが、携帯電話使用が両者に対する重要なリスク因子であるとは考えられない。疫学研究からの明確性が得られないことから、がん発生率の傾向の監視を継続することが依然として重要である。但し、これまでのデータ、また他の国々からのデータと一致していることから、携帯電話使用と脳または耳下腺のがんとの関連の証拠はほとんどなく、甲状腺または直腸結腸のがんとの関連についての仮説も同様に弱い、と著者は結論付けている。
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